イギリス英語のアクセントを中世の歴史で考察してみた

イギリス英語のアクセントを中世の歴史で考察してみた

 


 英語学習者

イギリスの英語には、各地でさまざまなアクセントがあるけれど、歴史的に考えたときに、なにか違いはあるのでしょうか?

という質問に答えます。

 

<本記事の内容> 

  
代表的なイギリスのアクセントの場所と

・アングロサクソン7王国での位置関係(5~8世紀頃)
・ヴァイキング支配の位置関係(9~11世紀頃)  
・(付けたし)ノルマン人の支配(11世紀~)

 

ほぼ毎日英語を使って仕事をしている「あきら」が、イギリスに留学した経験、さまざまなオンライン英会話の経験、15年以上英語を勉強した経験を通して、英語に関する役立つ情報をご紹介しております。


 

✅こちらの記事も参考に!

>>英語のルーツは?ドイツ語、ラテン語、フランス語の影響について

>>イギリス英語にはどんな歴史があるの? 中世の英語って理解できる?

 

 

イギリス英語のアクセントを中世の歴史で考察してみた

 

イギリス各地には様々なアクセントがあります。
グレートブリテン島の北部、中部、南部、西部、東部、場所が違えば、その地域独特の発音や表現があって当然のことだと思います。

 

✅こちらの記事も参考に

>>イギリス英語の発音 さまざまなブリティッシュ・アクセント


ですが、イギリス英語のさまざまなアクセントは、場所の違いだけでしょうか?
歴史的な出来事も大きな影響を及ぼしていないでしょうか?

という興味を持ちました。


イギリスの歴史を考えたときに、中世で大きな影響を及ぼしているのは

・アングロサクソン人の支配
・ヴァイキングの支配
・ノルマン人の支配

です。

 


そこで今回は特に、

①アングロサクソン人の国々の場所と、現在の各アクセントとの位置関係

②ヴァイキングが支配した場所と、現在の各アクセントとの位置関係

を見てみました。

※今回は場所のみの考察で、影響を受けた言葉は言及していません

 

英語のルーツの簡単な歴史(アングロサクソン人の支配)

 

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時代は5世紀まで遡ります。
古ドイツ語を話すアングル人・ジュート人・サクソン人(いわゆるアングロ・サクソン人)が5世紀中ごろからグレート・ブリテン島に定住をはじめました。

そして、先住民であったケルト系ブリトン人を打ち負かして(または同化して)、8世紀ごろまでに、グレートブリテン島の大部分を支配して、アングロサクソン7王国を作っていました。(地図のグリーンの部分、各国名は黄文字)

定住後に、彼らが話した言葉は古英語と呼ばれ、現在の英語のルーツになっています。

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参考:イングランドの歴史 アングロ・サクソン七王国の概要

 

 

イギリス各地のアクセント、アングロサクソン王国との位置

 


現在、イギリスでは、Received Pronunciation (R.P.)が標準的な英語とされており、BBC放送や英語教育などを中心に話されています。
しかし、イギリスの各地には多くのアクセントがあり(37種類以上とも言われる)、発音や表現が大きく異なります。

イギリス英語で代表的なアクセントが下記になります。

・RP(Received Pronunciation):これはアクセントではないです

・Geordie(ジョーディ(ニューキャッスル))
Yorkshire(ヨークシャー)
・Scouse(スカウス(リバプール))
・Manchester(マンチェスター)
・Brummie(ブラミー(バーミンガム))
・Cockney(コックニー(ロンドン))
・West country(イングランド南西部)

・Northern Irish(北アイルランド)
・Scottish(スコットランド)
・Wales(ウェールズ)

この中で、北アイルランド、スコットランド、ウェールズ以外の6つのアクセントがイングランドになります。

 

✅こちらの記事も参考に

>>イギリス英語の発音 さまざまなブリティッシュ・アクセント

 

 

先ほどのアングロサクソン7王国の地図に、6つの代表的なイングランドのアクセントの場所を重ねてみました。

ニューカッスル(ジョーディ・アクセント)は、ノーサンブリア王国の北部に位置しています。

また、リーズ(ヨークシャー・アクセント)、マンチェスター(マンチェスター・アクセント)、リバプール(スカウス・アクセント)はノーサンブリア王国の南部に位置しています。

これらは、現在ではイングランド北部と呼ばれており、共通のアクセントも見られます。

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これに対して、バーミンガム(ブラミー・アクセント)は、マーシア王国に位置し、現在ではミッドランドと呼ばれる地方です。

ロンドン(コックニー・アクセント)はエセックス王国に位置し、この時代の中心は、ウェセックス王国でした。ウェセックスに位置する訛りは、ウェストカントリーと呼ばれています。

これらの地域は、イングランド南部と呼ばれており、共通のアクセントも見られます。

 

 

9世紀~のヴァイキング支配下の場所

 

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9世紀になるとデンマークやノルウェーからのヴァイキングによって、イングランドの広範囲の領土は占領され、ヴァイキングが定住を始めました。(9世紀~11世紀中ほど)

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先ほどの6つのアクセントは、ヴァイキングの支配下になったのか纏めてみました。

※スウェーデン王がイングランド王を奪った時期もあり、その時代は黄色の範囲になかったとしても実質は支配下にあった。

Geordie(ジョーディ(ニューキャッスル)) 範囲外
Yorkshire(ヨークシャー) ヴァイキングの支配下
Scouse(スカウス(リバプール)) ヴァイキングの支配下
Manchester(マンチェスター) ヴァイキングの支配下
Brummie(ブラミー(バーミンガム)) 範囲外
Cockney(コックニー(ロンドン)) 境目
West country(イングランド南西部) 範囲外

ニューキャッスルを中心とするジョーディ―・アクセントは、イギリスの中で最も古いアクセントが残っていると言われており、ヴァイキングの定住領域になかった影響もあるのかもしれません。


 

追記)11世紀~のノルマン人の支配

 


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1066年に、フランスのノルマンディー公ギョーム2世が、イングランドに侵略して征服、ウィリアム1世としてイングランド王となりました。

この影響で、イングランドの公用語は英語(当時の英語は、中英語と呼ばれる)から、フランス語へ変わりました。と言っても、政治を動かす貴族のみフランス語で、一般人は英語を話しました。この影響で多くのフランス語が英語に取り入れられました。

また、イングランドの中心もウェセックス(西部のウィンチェスター)からロンドンへと変わっていき、ウェセックスのアクセントはだんだん下火になって行きました(現在はウェストカントリー・アクセントと呼ばれています)

 

 

最後に

 

ちょっと纏まりのない話になってしまいましたが、僕自身の考えを書きました。実際はどこまで、言葉として影響を受けているのかまで、調べることが出来たらより興味深い内容になると思っています。

 

参考文献:イングランドの歴史 アングロ・サクソン七王国の概要
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