イギリス英語にはどんな歴史があるの? 中世の英語って理解できる?
- 2020.09.05
- 英語雑学


英語学習者
「イギリス英語って、どんな歴史があるのかな」
「中世の英語は理解できるのだろうか?」
こんな疑問に答えます。
・イギリス英語の簡単な歴史(中世頃)
・イギリス英語はどんな言語の影響を受けているのか
・中世頃のイギリス英語は理解できるのか
ほぼ毎日英語を使って仕事をしている「あきら」が、イギリスに留学した経験、さまざまなオンライン英会話の経験、15年以上英語を勉強した経験を通して、英語に関する役立つ情報をご紹介しております。
今回は、イギリス英語の歴史に焦点を当てて、お話を致します。
イギリス英語に興味のある人、歴史に興味のある人にも読んでほしいと思います。
イギリス英語にはどんな歴史があるの? 中世の英語って理解できる?
英語はどんな言語の影響を受けているのか?
まず最初に、英語のそれぞれの語彙はどんな言語にルーツがあるのか、お話を致します。
このグラフをご覧ください。
(出典:Wikipedia)
グラフを見て分かるように、英語の語彙の多くは、ラテン語、フランス語、ドイツ語(ノルド語を含む)に語源があります。
なぜ、これらの言語の影響を大きく受けているのでしょうか。
それには、イギリスの歴史を考える必要があります。
ラテン語とイギリス英語
※赤い部分がローマ帝国支配下
中世の初め頃、イギリスの大部分を占めるグレートブリテン島には、ケルト系民族(ブリトン人)が住んでいました。
彼らが話す言葉はケルト語で、この頃には全く英語の姿はありませんでした。
1世紀~5世紀初めまで、スコットランドの北部を除くグレートブリテン島の大部分はローマ帝国の支配下にあり、ローマ軍人が多く駐在していました。
ケルト系民族の先住民たちも、ローマ軍人がもたらすラテン語の影響を受けていましたし、公文書はラテン語で書かれるようになりました。
ローマ帝国の支配が5世紀初めに終わった後も、公文書にはラテン語がつかわれ続けたため、ラテン語の影響を受け続けました。
ドイツ語とイギリス英語
※緑色の部分が、アングロ・サクソン族が占領した領土(イングランド)
ローマ帝国支配が終わった5世紀中ごろになると、現在の北部ドイツ(ユカタン半島の根本付近)から、ジュート族、アングル族、サクソン族たちが、グレートブリテン島に侵入してきました。いわゆるアングロサクソン族です。
そして7世紀頃までに、スコットランドとウェールズ付近を除くグレートブリテン島の大半を、アングロ・サクソン族が支配して、9世紀にイングランドを建国をしました。
アングロ・サクソン族が話していたドイツ語(古ドイツ語)が英語のルーツとなり、彼らがイングランドで話していた言葉のことを、「古英語」と呼んでいます。
このため、英語はドイツ語の影響を大きく受けているのです。古英語でも公文書はラテン語がつかわれ続けたため、多くのラテン語が英語に取り入れられています。
当時の古英語は、今の英語とは大きく異なっており、まるで別言語の様です。全くと言っていいほど、理解が出来ません。
この理由は、そのご英語は大きく進化していくからです。
当時の古英語の動画を紹介します。まったく理解が出来ません。
ノルド語と英語
※黄色い部分がデーン人が占領したデーンロー
9世紀になると、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンなどの国々からやってきて、海賊行為をはたらいていたヴァイキング達が、イングランドに侵略するようになりました。
イングランドはヴァイキングの襲来・侵略に苦しめられ続け、イングランド中部を中心に領土の1/3を奪われてしまいました。また、10世紀~11世紀にかけては、イングランド王位もデンマーク王に奪われました。
このため、ヴァイキング達もデーンローと呼ばれる領域に移住するようになり、ヴァイキング達が話す言葉(ノルド語)も英語に取り込まれるようになりました。
やはり、聞いてもさっぱりわかりません。
フランス語と英語
1066年になると、今度はフランス北部のノルマンディー地方を治めていた、ノルマンディー公(ノルマン人)がイングランドに侵略して征服してしまいました。
ノルマンディー公はウィリアム1世としてイングランド王となり、その後も彼の子孫がイングランド王を継承しました。
ノルマンディーからは多くのノルマン貴族たちもイングランドに移住しました。
イングランドの公用語もフランス語に変わったことから(~14世紀まで)、英語にフランス語が大いに取り入れられるようになったのです。
※とはいうものの、ノルマン人の占める人口割合は少なく、フランス語は政治や上流階級で主に話されていました。また十字軍遠征やイギリスとフランスの100年戦争など、両国を行き来する人もふえたため、フランス語が英語に入ってきやすかったと考えられます。
この頃の英語になると、現在と異なる単語も多いですが、似たような単語もあり、ちょっと意味が分かる部分もあります。ですが、まだまだ現在の英語とは大きく異なっています。
シェイクスピアの時代の英語
近世になり、16世紀のウィリアム・シェイクスピアの時代になると、英語もかなり現代に近づいてきます。
シェイクスピアは劇でのセリフ表現を豊かにするために、約3000語もの言葉をつくったと言われています
例えば下記の例があります。
こちらは、シェイクスピアの時代の英語発音です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
歴史的な背景により、英語はいろんな言語の影響をうけて、大きく変わってきたことがお分かりいただけたでしょうか。
英語は、とても興味深いですよね。
✅こちらの記事も参考に!
>>英語のルーツは?ドイツ語、ラテン語、フランス語の影響について
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