英語のリンキングとは?6つの種類と単語例を紹介
- 2021.06.24
- 英語の発音、アクセント 英語雑学 連続発音(リンキング他)

英語で複数の単語をつなげて発音することを「連続発音(connected speech)」と呼んでいます。
この連続発音の1つがリンキング(linking sound)になります。
英語の学習者にとって、ネイティブが流暢に発音すると聞き取りにくいのは、この連続発音があることが1つの原因になっています。
連続発音の種類とルールを理解するとリスニング力が上がりますし、話すときもネイティブに近い発音が出来るようになります。
連続発音(connected speech)には、4種類が挙げられます
<連続発音(connected speech)の種類>
・リンキング・サウンド(連結:linking sound)
・イントルーシヴ・サウンド(嵌入音: intrusive sound):リンキングに関連
・エリジョン/リダクション(脱落:elision/reduction)
・アシミレーション(同化:assimilation)
リンキング (Linking sound) |
単語の最後と次の単語の音がつながり、あたかも1つの単語のように発音することです |
嵌入(intrusive sound) | リンキングを行う場合、単語と単語の間に新たな音を挿入して発音することです |
エリジョン/リダクション (Elision/Reduction) |
単語と単語をつなぐ場合、最初の単語の最後の音を発音しない、またははっきりと発音しないことです |
アシミレーション(Assimilation) |
単語と単語の音をつなぐ場合、別の音に変化することです |
今回は、リンキング(連結:Linking)と、リンキングに関連する嵌入(intrusive sound)について詳しく説明いたします。
・英語の母音 イ、エ「i、i:、e、ei」はどの様に発音するの?(動画付き)
・イギリス英語とアメリカ英語の違いを詳しく解説(発音、単語、文法、表現、スペル、読み方)
・英語の2種類のLの発音。ライトL、ダークLの発音の仕方
・英語のいろんな母音の発音 ア「ʌ、ə、ɜ、æ、ɑ」はどう違うの?(動画付き)
英語のリンキングとは?(linking sound):6つの種類と単語例を紹介
リンキングの3つの種類
リンキング(連結、Linking)とは、単語の最後と次の単語の音がつながり、あたかも1つの単語のように発音することです。
リンキングには大きく分けると、次の3つが挙げられます。
<リンキングの種類>
①「子音」+「母音」:単語の最後が「子音」+次の単語の最初が「母音」の場合に起こります。
②「母音」+「子音」:単語の最後が「母音のə」+次の単語の最初が「子音」の場合に起こります。
③「母音」+「母音」:単語の最後が「母音」+次の単語の最初が「母音」の場合で、母音と母音の間に別の音が入ります。このことを「Intrusivesound(嵌入音)」と呼んでいます。
それぞれについて詳しく説明します。
リンキング: 「子音」+「母音」の場合
最も頻繁に使用するリンキングは、「子音」+「母音」の場合です。
ここでは、次の3つの分類して説明します。
<「子音」+「母音」のリンキング>
・一般的な場合
・「子音がL」の場合
・最初の単語のスペルが「r」で終わる場合
①「子音」+「母音」:一般的な場合
単語の最後が子音+単語の最初が母音の場合のリンキングです。
この場合、子音+母音がつながって、2つ以上の単語が一つの単語のように発音します。
<例>
Is it? → [izit] | イズ イット? → イズィット? |
Thanks a lot. → [θæŋksa lɒt] | サンクス ア ロット → サンクサ ロット |
keep out → [kiːpaʊt] | キープ アウト → キーパウト |
give up → [givʌp] | ギヴ アップ → ギヴァップ |
Can I ~ → [kənai] | キャン アイ → キャナイ |
<その他(参考):フラッピング>
「t」の前後が母音で囲まれる場合、アメリカ英語やオーストラリア英語の一部では、「t」の発音を「ダ(人によってラのようにも聞こえる)」のような発音をします。これをフラッピングT(flapping T)と呼んでいます。
イギリス英語ではフラッピングTの発音は無く、しっかり「t」の発音をします(または「t」の発音を落とします)
・get out → [getaʊt] ([gedaʊt])
(ゲット アウト → ゲタウト(ゲダウト or ゲラウト)
・shut up → [ʃʌtʌp] ([ʃʌdʌp])
(シャット アップ → シャタップ(シャダップ、シャラップ)
✅フラッピングTについては、こちらの記事をご覧ください(⑤番目です)
>>イギリス英語とアメリカ英語の違い ~発音の違い編
②「子音」+「母音」: 子音が「L」の場合
単語の最後の音が「L」で終わる場合、「ダークL」と呼ばれる発音になります。
例えば、tell、school、girlなどの単語で、「L」は舌を上歯茎につけずに発音します。
これに対して、「ライトL」と呼ばれる発音があり、
例えば、light、lot、longなどの単語で、「L」は舌を上歯茎につけて発音します。
子音が「ダークL」でリンキングが起こると、Lの発音は「ライトL」に変化します。
<例>
Shall I → [ʃəlai] | シャル アイ → シャライ:Lの発音はダークからライトに変化 |
tell us → [telʌs] | テル アス → テラス:Lの発音はダークからライトに変化 |
✅ ライトL、ダークLの詳しい発音の仕方はこちらの記事をご覧ください
・英語の2種類のLの発音。ライトL、ダークLの発音の仕方
③「r」+「母音」の場合(リンキングR)
最初の単語の最後に「r」が含まれる場合のリンキングを、リンキングRと呼んでいます。
「r」の発音は、アメリカ英語では舌を巻いて発音しますが、イギリス英語は舌を巻かずに発音することが多いです。
しかし、リンキングRの場合は、イギリス英語でも「r」は舌を巻いて発音します。
<例>
cheer up →[tʃiərʌp] | チア アップ → チアラップ |
far away → [fa:rəweɪ] | ファー アウェイ → ファラウェイ |
four eggs → [fɔːregz] | フォー エッグズ → フォーレッグズ |
Here is → [hɪərɪz] | ヒア イズ → ヒアリズ |
War and peace → [wɔːrənd pi:s] | ウォー アンド ピース → ウォーランド ピース |
「母音」+「母音」のリンキング(嵌入音: intrusive sounds)
「母音」+「母音」のリンキングの場合、母音と母音の間に新たな音を入れて(嵌入:かんにゅう)、発音します。
この嵌入には、次の3つのパターンがあります。
ここでは、次のように3つに分類しました。
<「母音」+「母音」のリンキング。嵌入音の3つの種類>
・最初の母音が口を横に広げる場合(e、iなど:jの音を入れる):intrusive j
・最初の母音が口をすぼめる場合(o、u:wの音を入れる):intrusive w
・最初の母音がシュワサウンド「ə」の場合(rの音を入れる):intrusive r
それぞれ、例を挙げて説明します。
④「e,i」+「母音」の場合(嵌入音:intrusive j)
口を横に広げて発音する母音(e、i:spread vowel)と母音をつなぐ場合、「j」の音を間に入れます。(日本語で言うと、ヤの発音です)
May I →[meijai] | メイ アイ → メイヤイ |
We are → [wi:jaː] | ウィー アー → ウィーヤー |
I am → [aijam] | アイ アム → アイヤム |
He is → [hijiz] | ヒー イズ → ヒーヤズ |
The earth → [ðijɜːθ] | ジ アース → ジヤース |
⑤「o,u」+「母音」の場合(嵌入音:intrusive w)
口をすぼめて発音する母音(o、u:rounded vowel)と母音をつなぐ場合、母音と母音の間に「w」の音を入れます。(日本語で言うと、ワの発音です)
Who are you? →[hu:wa: ju:?] | フー アー ユー → フーワー ユー |
Who is he? →[hu:wis hi😕] | フー イズ ヒー → フーウィズ ヒー |
You are~ →[yu:wa:] | ユー アー → ユーワー |
go on →[go:won] | ゴー オン → ゴーウォン |
⑥「ə」または「aw」+「母音」の場合(嵌入音:intrusive r)
嵌入音が「r」の場合は2つのパターンがあります。
一つ目のケースが、単語の最後の発音が「ə」の場合で(シュワサウンドと言います)、次の単語の最初に母音が来る場合です。
もう一つのケースが、単語の最後のスペルが「aw」で、次の単語の最初に母音が来る場合です。
これらの場合、単語と単語の間に「r」の音を挿入してつなぎます。後に続く単語はa、andの場合が多いです。
China and US →[tʃainərənd ju:es] | チャイナ アンド → チャイナランド ユーエス |
media asset →[miːdiəræset] | ミーディア アセット→ メーディアラセット |
draw a map →[drɔːrə mæp] | ドロー ア マップ → ドローラ マップ |
saw a man →[sɔːrə mæn] | ソー ア マン → ソーラ マン |
最後に:表とまとめ
いかがでしたでしょうか?
リンキングの方法は分かったでしょうか?
最後に今回ご紹介したリンキングのまとめとして、一覧表を作りました。
リンキングの種類 | 単語例 | ||
子音と母音のリンキング | 一般的な例 | – | is it / give up |
子音が「L」の場合 | Lの発音:ダーク→ライトに変化 | shall I / tell us | |
子音が「r」の場合 | 「r」の発音は舌を巻く | cheer up / four eggs | |
母音と母音のリンキング | 最初の母音が口を広げる音の場合 | 「j」の音を挿入する | we are / I am |
最初の母音が口を丸める音の場合 | 「w」の音を挿入する | you are / go on | |
最初の母音が「ə」の場合、awのスペルで終わる場合 |
「r」の音を挿入する | China and / draw a map |
この記事が、英語の発音を勉強する際のお役に立てますと、ありがたいです。より英語に親しんでいただけますと嬉しく思います。
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