イギリス英語の母音の発音方法(口の形、舌の位置) 短母音・長母音・二重母音

イギリス英語の母音の発音方法(口の形、舌の位置) 短母音・長母音・二重母音

英語母音の発音には短母音、長母音、二重母音があります。


・短母音:「ʌ」「ə」「æ」「ʊ」「ɒ」「i」「e」

・長母音:「ɜ:」「ɑ:」「ɔ:」「i:」「u」

・二重母音:「eɪ」「aɪ」「ɔi」「aʊ」「əʊ」「ɪə」「eə」「ʊə」


英語は、短母音と長母音で12種類、二重母音は8種類、合計20種類の母音があります。

日本語の母音は基本的に「あ、い、う、え、お」の5種類で、長母音はそれぞれを長く伸ばすだけで、二重母音はあまり多くはありません。

※英語の場合、短母音と長母音は発音が異なります


英語の母音は、それぞれどのように発音するのでしょうか?

今回は英語の母音の発音で(イギリス英語)、口の形と舌の位置・動きについて、日本語の発音と比較しながら分かりやすく説明をします。
短母音、長母音で分けずに、日本語の音に近い発音で比較しました。


※イギリス英語の標準的な発音R.P.(Recieved Pronunciation)をベースにしています。

 

< こちらの記事もご参考に! >
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イギリス英語の発音~母音・長母音・二重母音~

 

「ʌ」「ə」「ɜ:」「æ」「ɑ:」の発音のしかた

 

英語の発音「ʌ」「ə」「ɜ:」「æ」「ɑ:」は、日本語で表記しようとすると、どれも「ア」か「アー」になってしまいます。

しかし、いずれも発音は異なりますし、「日本語のア」とも違っています。このため、日本人にとっては区別がとても難しいです。

しかし、口の開け方や舌の位置を意識すると、それぞれの発音に違いが分かってきます。

日本語よりも英語の発音の方が、口を縦横に大きく開け、舌先も前後・上下によく動かすことが分かります。

まずは、日本語の「ア」の発音を意識してみましょう。

 

日本語の「ア」の発音

 

まず、口の開け方と、舌の位置に注意しながら、日本語の「ア」を発音してみましょう。

 


<日本語の「ア」の発音>

・口の開け方: 縦方向に中くらいに開けます

・舌先の位置: やや前で口の底部に横たわっている



この「ア」の感覚を覚えておいてくださいね。
次にそれぞれの英語の発音を、日本語の「ア」と比較しながら口の開け方と舌先の位置を説明します。

 

英語の「ʌ」の発音



英語の「ʌ」は、日本語の「ア」に最も近い発音です。

 


<英語の「ʌ」の発音>

・口の開け方: 日本語の「ア」より縦方向に大きめに開けます

・舌先の位置: 日本語の「ア」の位置から舌先をやや持ち上げます
        (人によって、舌全体はやや奥に引っ込めます。)


>>ネイティブによる発音例(BBC)

「ʌ」を発音するときは、日本語の「ア」よりも短めに発音します。

単語例: blood(blʌd)、cup(kʌp)、cut(kʌt)、company(kʌmpəni)

 

 

英語の「ə」の発音




「ə」の発音はイギリス英語では頻繁に用い、とても重要な発音です。(schwa sound(シュワ、と呼ばれています)

 


<英語の「ə」の発音>

・口の開け方: 日本語の「ア」よりもやや小さく、軽く楽に開けます

・舌先の位置: 日本語の「ア」の位置から舌をやや持ち上げて宙に浮かせた状態です


>>ネイティブによる発音例(BBC)


「ə」を発音するときのポイントは、口も舌も力を抜いてリラックスさせることです。口の大きさ、舌先の位置も中間(前後、上下方向で真ん中)、小さく弱めに発音します。

単語例: about(əbaʊt)、letter(lettə)、the(ðə)、water(wɔːtə)、nation(neɪʃən)、chocolate(tʃɒklət)、London(lʌndən)

 

 

<英語の「ɜ:」の発音>



英語の「ɜ:」の発音は、「ɜ」と短く音することはなくと長く伸ばします(長母音)。

日本語の「アー」と近い音になりますが、舌先の位置が異なっています。

「ɜ:」は「ə」とほぼ同じ発音ですが、「ə」よりもしっかり発音するため力が入ります。このため、口の開け方と舌先の位置が若干ことなります。


<英語の「ɜ:」の発音>

・口の開け方: 「ə」よりも口を微妙に大きく開け、日本語の「ア」の開け方に近いです
    
・舌先の位置: 日本語の「ア」の位置から舌をやや持ち上げて宙に浮かせた状態ですが、「ə」より舌先がやや下がります。


>>ネイティブによる発音例(BBC)

 
 
 
単語例: bird (bɜːd)、learn(lɜːn)、nurse(nɜːs)、girl(gɜːl)



英語の「æ」の発音



英語の「æ」はアメリカ英語では「エ、ア」が混ざった二重母音のように発音しますが、イギリス英語は「e」の音は入らずシンプルに発音します。

 


<英語の「æ」の発音>

・口の開け方: 日本語の「ア」よりも大きく開けます

・舌先の位置: 日本語の「ア」のように口底にありますが、前歯の根元付近にぐっと突き出します


>>ネイティブによる発音例(BBC)


「æ」を発音するときのポイントは、口大きく開け声を前に押し出すように発音します。

単語例: cat(kæt)、lap(læp)、back(bæk)、apple(æpl)




英語の「ɑ:」の発音



短母音の最後は「ɑ:」の発音です。「ɑ」は短母音ではなく、「ɑ:」と長く発音する長母音です。

 ※アメリカ英語では、イギリス英語の「ɒ」の代わりに「ɑ」の短母音があります。この記事で後ほど説明します。

 


<英語の「ɑ:」の発音>

・口の開け方: 日本語の「ア」よりも大きく開けます

・舌先の位置: 日本語の「ア」のように口底にありますが、ぐっと奥に引っ込めます


>>ネイティブによる発音例(BBC)


「ɑ:」を発音するときのポイントは、歯医者に行ったときや、医者でノドの奥を見せるときに、「口を大きく開けてアー」と言う時の感じです。

単語例: father(fɑːðə)、hard(hɑːd)、start(stɑːt)、staff(stɑːf)

 

 

✅ こちらの記事でもさらに詳しく説明しています

英語のいろんな母音の発音 ア「ʌ、ə、ɜ、æ、ɑ」はどう違うの?(動画付き)



「ʊ」「u:」、「ɒ」「ɔ:」、「i」「i:」、「e」の発音のしかた

 

英語の発音「ʊ、u:」「ɒ、ɔ:」「i、i:」「e」を日本語で表記しようとすると、「ウ、ウー」「オ、オー」「イ、イー」「エ」となります。

しかし、いずれも日本語の発音とは違いますし、短母音と長母音では口の形、舌先の位置が異なります。

「ア」の時と同じように、日本語の発音とも比較しながら、ポイントを説明します。

 

 

 英語の「ʊ」の発音

 

日本語の「ウ」の発音は、口を小さくすぼめて(口笛を吹く形)、舌先は中ほど~前方に位置しています。

これに対し、英語の「ʊ」の発音は、「ウ」よりも口を大きく開け、リラックスして発音します。

日本語の「ウ」と「オ」の音の中間のイメージです。


<英語の「ʊ」の発音>

・口の開け方: 日本語の「ウ」よりもやや大きめに開け、唇はやや丸めます

・舌先の位置: 日本語の「ウ」の舌先はやや前方にありますが、「ʊ」は宙に浮いた状態でやや奥に引っ込めます



>>ネイティブによる発音例(BBC)

 

単語例: look「lʊk」、foot「fʊt」、put「pʊt」、book「bʊk」

 



英語の「u:」の発音

 

英語の「u:」の発音は短母音ではなく、長く伸ばした長母音のみになります。
先ほどの短母音「ʊ」よりも、日本語の「ウ」よりもさらに口はすぼめて発音します。


<英語の「u:」の発音>

・口の開け方: 日本語の「ウ」よりもさらに唇を丸めて、ぐっと前に突き出します

・舌先の位置: 上に引き上げ口の奥の方にぐっと引っ込めます


>>ネイティブによる発音例(BBC)


「u:」を発音するときのポイントは、キスをするときのように口を丸めて前に突き出すイメージです。舌はややカールさせて、奥に引っ込めるイメージです。固めの音になります。

単語例: cool「ku:l」、fool「fu:l」、true「tru:」、school「sku:l」

 

 

英語の「ɒ」の発音

 

次は英語の「ɒ」の発音です。

日本語の表記では「オ」と似てはいますが、口の大きさや舌の位置は、だいぶ異なります。

日本語の「オ」は「ウ」よりも口を縦に大きく開け、舌は奥の方に引っ込めます。

これに対し「ɒ」の発音は、「オ」よりも口を縦に開け、舌をさらに奥に引っ込めます。

 


<英語の「ɒ」の発音>

・口の開け方: 日本語の「オ」よりも縦に大きくあけます

・舌先の位置: 日本語の「オ」よりもぐっと口の奥の方に引っ込めます。口の中の空間が大きくなるので、ややこもった音になります


>>ネイティブによる発音例(BBC)

 


「ɒ」の発音は、先ほど説明しました英語の「a:」の発音と似ており、「a:」より唇を丸めて発音します。このため、「オ」と「ア」の中間のようにも聞こえます。

単語例: lot「lɒt」、hot「hɒt」、lock「lɒk」

 

この「ɒ」の発音は、イギリス英語に特有の発音で、アメリカ英語では代わりに「a」と発音します。この「a」の短母音はイギリス英語には無く、長母音の「a:」や後で説明する二重母音の「ai」「aʊ」に含まれています。

 

 

英語の「ɔ:」の発音

 

英語の「ɔ:」は日本語の「オー」に比較的近い発音です。「ɔ」の短母音は無く、長母音と二重母音の「ɔi」に含まれます。


<英語の「ɔ:」の発音>

・口の開け方: 日本語の「オー」に近い開け方で「ɒ」より小さく開けます

・舌先の位置: 日本語の「オー」のように舌を奥に引っ込めますが、宙に浮かせた状態にします


>>ネイティブによる発音例(BBC)

 

 


単語例: 
law「lɔ:」、more「mɔ:」、saw「sɔ:」、ball「bɔ:l」

 

 

英語の「i」の発音


「i」の発音は比較的、日本語の「イ」に似ています。

日本語の「イ」は口は軽く開けた状態で、舌の奥の方が口の上部についていることが分かります。

これに対し「i」の発音は舌の位置が異なります。舌の奥は上部にはつかず、浮いた状態です。

このため口の中の空間が大きくなり、日本語の「イ」と「エ」の中間位にも聞こえます。


<英語の「i」の発音>

・口の開け方: 日本語の「イ」より、縦横に少し大きめに開けます。しかし、力は入れずリラックスさせます。

・舌先の位置: 上の歯の先端付近で、リラックスして口の中で浮かんだ状態です。


>>ネイティブによる発音例(BBC)

 

 


単語例: 
sit「sit」、bit「bit」、it「it」

 



英語の「i:」の発音

 

英語の「i:」は長母音で、「i」を伸ばすのではなく、「i」と比べて口の形も舌の位置も異なります。

日本語の「イー」とも異なり、興味深い音です。


<英語の「i:」の発音>

・口の開け方: 日本語の「イ」より、横に大きく広げます(ビッグスマイル)

・舌先の位置: 日本語の「イ」と同じように、舌の奥の部分が口の上部につけます(舌先はつけません)。舌先は宙に浮いており、やや奥に引っ込めます。


>>ネイティブによる発音例(BBC)


短母音の「i」はリラックスした状態で発音しますが、「i:」は力が入りちょっと緊張した状態になります

 


単語例: beach「bi:tʃ」、peach「pi:tʃ」、sheet「si:t」、keep「ki:p」

 

 

英語の「e」の発音

 

日本語の発音は、比較的口を横に広げないことに気が付きます。「ア」「イ」「エ」の発音では、横方向の広げ方はほとんど変わらず、縦方向の変化で音が変わります。舌の動きも小さいことが分かります。

日本語の「エ」の発音は、「ア」と「イ」の中間くらいに口を開け、舌の位置は「ア」とほとんど変わらず、口の下部にあることが分かります。


これに対し英語の「e」の発音は、口を大きく開けて前方に押し出すように発音するので、はっきりした音になります。


<英語の「e」の発音>

・口の開け方: 日本語の「エ」よりも、縦にやや大きく開けます。特に横にも大きく開けます(ビッグスマイル)。

・舌先の位置: 舌先は上下の前歯の間くらいにあり、口の中で浮いた状態です


>>ネイティブによる発音例(BBC)

 


単語例: men「men」、set「set」、bed「bed」、get「get」

 

✅ こちらの記事でもさらに詳しく説明しています

英語の母音の発音 ウ、オ「ʊ、u、ɒ、ɔ」はどの様に発音するの?(動画付き)

英語の母音 イ、エ「i、i:、e、ei」はどの様に発音するの?(動画付き)

 

 

英語の二重母音の発音


日本語にも二重母音はありますが、多くの場合は長母音に変化させてしまいます。

例:おう(オー)、えいが(えーが)、おおさか(おーさか)
例:あい、うえ、おい、等は二重母音になっています

 

一方、英語には8種類の二重母音があります。

英語の二重母音:「eɪ」「aɪ」「ɔi」「aʊ」「əʊ」「ɪə」「eə」「ʊə」


それぞれの2重母音の発音は、これまでに説明した短母音の組み合わせで、連続的に短母音を発音します。

基本的には、それぞれの短母音の発音の仕方を見ていただければ良いです。

ただ二重母音に含まれる「a」と「ɔ」は短母音には存在しませんが、長母音の口の形と舌の位置は同じで、短く発音します。


※「əʊ」の二重母音はイギリス英語に特有で、アメリカ英語では「oʊ」となります。

 

✅ 8種類の2重母音についての詳細は、こちらの記事をご覧ください!

>>英語の発音 2重母音(diphthong)を動画で学ぼう

 

 

最後に一言

 

いかがでしたでしょうか?
ご紹介してきましたように、英語には数多くの母音があります。いずれも日本語の発音には無く、英語を勉強する上で、とても苦労すると思います。

しかし、口の開き方と舌先の位置を理解すると、ネイティブの発音も聞き取りやすくなり、よりネイティブに近い発音ができるようになります。

この記事が、英語の発音を勉強する際のお役に立てますと、ありがたいです。より英語に親しんでいただけますと嬉しく思います。

 

 

 
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